
患者さまとの出会い
20代の女性患者さまは、学業と複数のアルバイトを掛け持ちされており、心身ともにお疲れの様子でした。うつ傾向や不眠に加え、のどのつっかえ感、心臓や胃の違和感、夜間の気分の落ち込みなど、多岐にわたる症状を訴えていらっしゃいました。
治療の経過
初回診察
脈診により気力・体力の低下が認められたため、気力・体力の回復を期待できる漢方と、気力・体力の回復、不眠の改善を期待できる漢方と睡眠剤を処方いたしました。
数週間後の受診
不眠と涙もろさを訴えられ、患者さまの過去の治療経験からのどの詰まり、抑うつの改善を期待できる漢方処方への希望がありました。夜の落ち込みの改善、抑うつの改善を期待できる漢方、イライラと高揚した気分を抑えることを期待できる漢方、生薬のコウジン末を併せて処方いたしました。
さらに数週間後の受診
症状の変化に応じて処方を微調整し、のどの詰まり、抑うつの改善を期待できる漢方、ストレスによる症状の改善を期待できる漢方、気力・体力の回復、不眠を期待できる漢方とコウジン末の組み合わせに変更いたしました。
漢方の組み合わせでニキビも治療
その後も睡眠の質に合わせて睡眠剤の用量を調整し、新たに生じたニキビの治療も並行して行いました。漢方薬の組み合わせも、患者さまの状態に応じて柔軟に変更を重ねていきました。
計10回の受診で調整し続けたことが喜ばしい結果に
約10回の診察を重ねる中で、患者さまの表情は徐々に明るさを取り戻していきました。睡眠の質が改善し、精神的な安定も得られ、お肌の状態も良好となりました。最終的には患者さまご自身から漢方薬の減量を提案されるまでに回復されました。
まとめ
ストレスから解放されることが理想的ですが、現代社会においてそれは非常に難しいことです。しかし、彼女は責任感が強く、仕事を辞めるという方法ではなく、ストレスを受け入れながら改善していく道を選びました。その決断には、心から感動しました。
漢方治療を通じて、彼女はストレスが身体に与える影響を自覚するようになり、徐々に自分を労わる大切さに気付きました。その気づきは、彼女が治療に対して前向きで根気強く取り組む原動力となり、10回の通院を通じて、私たちは一緒に素晴らしい改善を遂げることができました。
これからも彼女が自身の健康を大切にし、ストレスとの向き合い方を上手に調整していけることを願っています。。
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