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顔の赤みの治療エピソード




患者さまとの出会い


患者さまは、もともと当クリニックで喘息の治療を受けていた50代の女性です。長年にわたり信頼関係を築いており、患者さまの症状に応じたケアを継続してきました。




始まりはひとつの相談から


ある秋、患者さまは顔が赤くなるという新たな症状を訴えて来院されました。アトピー性皮膚炎の既往歴があり、顔全体が真っ赤に乾燥し、特に仕事中に症状が悪化するとのことでした。一方で、仕事がお休みの日は症状が軽減する傾向があるとのことでしたので、仕事のストレスが原因になっていると考えました。

診察では、患者さまに「血虚」の状態が見られました。これは体内の血液が不足しているか、十分に巡っていない状態を指します。このため、熱がこもりやすくなり、顔の赤みや乾燥が引き起こされていると判断しました。




治療方針と経過


患者さまには、不足した「血」を補い、巡りを改善し、体内の熱を冷ます効果が期待できる漢方を処方しました。


2週間後の再診時、患者さまから症状がすっかり改善していると報告を受けました。顔の赤みや乾燥が解消し、日常生活への支障がなくなったとのことです。その後も治療を継続しており、患者さまはさらに減薬を目指して努力を続けています。




まとめ


東洋医学でいうところの本治(症状ではなく原因にアプローチする治療)の考え方で改善したわかりやすい症例です。ちなみに本治(ほんち)が原因に対処する根本的な治療なのに対し、症状を緩和する対症療法は標治(ひょうち)と呼びます。漢方治療ではこの本治と標治の考え方を用いて治療を組み立てます。

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